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投稿日:2025.11.11.
御文(おふみ)とは?浄土真宗に伝わる教えの手紙|小さな自宅葬・家族で「つくる」お葬式 おくり火
御文(おふみ)とは?
御文(おふみ)とは、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の教えを、
その弟子である蓮如上人(れんにょしょうにん)が人々にわかりやすく伝えた手紙のことです。
正式には「御文章(ごぶんしょう)」と呼ばれ、
一般の信徒へ向けて、阿弥陀仏の教えや念仏の心を説いたものです。
御文の由来
御文は、室町時代に浄土真宗の中興の祖である蓮如上人によって書かれました。
当時、戦乱や飢饉に苦しむ人々に向けて、
「阿弥陀仏を信じることで救われる」という親鸞聖人の教えを、手紙の形で広めたのです。
つまり御文は、“人々を励ますための法話の手紙”です。
文字が読めない人のために、寺院では僧侶が読み上げる習慣が生まれました。
御文の内容と役割
御文には、日々の生活や信仰のあり方を教える言葉が多く書かれています。
たとえば次のような内容があります。
- 阿弥陀仏の慈悲を信じて念仏を唱えることの大切さ
- 人として生きる中で感謝を忘れない心
- ご先祖への報恩と、共に生きる喜び
これらはすべて、「どんな人でも救われる」という親鸞聖人の教えを根本にしています。
葬儀や法要での御文
浄土真宗の葬儀や年忌法要では、僧侶が「御文」を拝読することがあります。
これは、亡くなられた方だけでなく、遺族や参列者の心を仏の教えに導くために行われます。
読経とともに御文が読み上げられることで、
「今、生かされていること」への感謝や、「共に念仏を唱える喜び」を感じる時間となります。
有名な御文の一節
蓮如上人の御文の中でも特に知られているのが、
「白骨の章(はっこつのしょう)」と呼ばれる一節です。
それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、
おおよそはかなきものは、この世の始中終、
まぼろしのごとくなる一期なり。
この言葉は、「人の命ははかなく、限りあるものである」という真理を説き、
今を大切に生きることの尊さを伝えています。
御文と地域の信仰文化
泉州・岸和田地域には浄土真宗のお寺が多く、
お盆や報恩講(ほうおんこう)の際に、御文が読まれる風習が残っています。
お寺の法要では、僧侶が御文を唱え、参列者が静かに手を合わせる光景が見られます。
御文の声は「心を落ち着かせる音」として、世代を越えて受け継がれています。
御文の現代的な意味
現代社会では、時間に追われる日々の中で、
「心の拠りどころ」を求める人が増えています。
御文は、そんな時代においても、
「自分は一人ではない」「すべての命に意味がある」というメッセージを届けてくれます。
まとめ|御文は“心に寄り添う手紙”
御文とは、阿弥陀仏の慈悲を人々に伝えるための教えの手紙です。
葬儀や法要の中で読まれることで、
故人への感謝と、自分自身の生き方を見つめ直すきっかけを与えてくれます。
おくり火では、宗派に合わせた法要の進行や、
ご希望に応じて「御文読誦(どくじゅ)」にも対応しております。