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投稿日:2025.11.11.
合掌とは?祈りと感謝を表す日本の美しいしぐさ|小さな自宅葬・家族で「つくる」お葬式 おくり火
合掌とは?
合掌(がっしょう)とは、両手の掌を胸の前で合わせる動作のことです。
仏教では古くから敬意・感謝・祈りを表す最も美しい所作とされており、
葬儀や法要の場でよく見られます。
また、宗教にかかわらず、日本では「ありがとう」「ごめんなさい」「お願いします」といった
心を伝える仕草として、自然に受け継がれてきました。
合掌の由来
合掌の起源は、古代インドの礼法「アンジャリ(añjali)」に由来します。
これは、「敵意を持っていません」という意味の平和のしるしであり、
仏教とともに日本に伝わりました。
仏教では、合掌は「自分と仏、すべての命を一つにする心の形」とされています。
つまり、手を合わせる=心を合わせるという意味を持っています。
合掌の意味と心構え
合掌には、場面によってさまざまな意味が込められています。
- 祈り: 故人の冥福や世界の平和を願う心。
- 感謝: 生かされていることへの感謝を表す。
- 敬意: 仏さまや他者への尊敬の気持ち。
どの場面でも共通しているのは、「心を込めること」。
手を合わせる瞬間に、心を静め、自分自身を整える時間が生まれます。
葬儀における合掌
葬儀や法要では、読経のあとや焼香の際に合掌を行います。
これは、故人の冥福を祈り、自分の心を仏の教えに向ける行為です。
合掌は長くする必要はなく、一呼吸分ほど静かに手を合わせるだけで十分です。
手を合わせる高さは胸の前が基本で、目を閉じるか軽く下を向きます。
おくり火の自宅葬では、家族それぞれがゆっくりと手を合わせ、
静かに故人との時間を過ごす光景がよく見られます。
宗派による違い
| 宗派 | 合掌の特徴 |
|---|---|
| 浄土真宗 | 南無阿弥陀仏を唱えながら胸の前で合掌。 |
| 曹洞宗・臨済宗 | 読経中に手を合わせ、心を無にして祈る。 |
| 真言宗 | 真言を唱えながら、手印を結ぶように合掌。 |
| 日蓮宗 | 題目「南無妙法蓮華経」を唱えて合掌。 |
日常に活かす合掌
葬儀や法要だけでなく、日常生活の中でも合掌は心を整える所作です。
- 食事の前後に「いただきます」「ごちそうさま」と手を合わせる
- お墓参りで手を合わせる
- 人に感謝するときに自然に手を合わせる
合掌には、命と命をつなぐ優しい力があります。
まとめ|合掌は“心をひとつにする祈り”
合掌とは、手を合わせて祈るだけでなく、
「ありがとう」「ごめんなさい」「さようなら」という
人の心を伝える最も美しいしぐさです。
おくり火では、葬儀を通して“手を合わせる時間”を大切にし、
家族の想いが穏やかに届くお見送りをお手伝いしています。