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投稿日:2025.11.11.
北枕(きたまくら)とは?なぜ亡くなった方を北に向けるのか|小さな自宅葬・家族で「つくる」お葬式 おくり火
北枕(きたまくら)とは?
北枕(きたまくら)とは、頭を北の方角に向けて寝ることを指します。
葬儀の際に、亡くなった方を北枕にして安置する習慣があるため、
「縁起が悪い」と感じる方も少なくありません。
しかし、北枕には本来、深い仏教の意味と敬意が込められています。
なぜ北枕にするの?
北枕の由来は、仏教の開祖であるお釈迦さまの入滅(亡くなられた時)にあります。
お釈迦さまは、頭を北に・顔を西に向けて横たわり、安らかに亡くなられたと伝えられています。
この姿を「釈迦涅槃(しゃかねはん)」と呼び、
その姿に倣って、亡くなられた方を北に頭を向けて安置するようになりました。
つまり北枕は、仏の教えに基づく「最も尊い安らぎの向き」なのです。
意味と考え方
- 仏教的な意味: 安らかに成仏していただくための向き
- 供養の意味: お釈迦さまの姿に倣い、敬意を込めて安置
- 縁起の意味: 故人の冥福を祈る最も正しい姿勢
北枕は「不吉」ではなく、故人への最大の敬意の表れです。
日常生活ではどう考える?
「北枕で寝ると縁起が悪い」と言われるのは、
亡くなった方と同じ向きになることを避けたいという気持ちから生まれた俗説です。
しかし最近では、北枕は健康や睡眠に良いという考え方もあります。
地球の磁場に沿うため、血流や神経の流れが整いやすく、
安眠しやすいという研究結果もあります。
つまり、北枕は悪いものではなく、むしろ自然に即した眠りの向きとも言えるのです。
葬儀での北枕の実際
ご自宅でご安置する場合、
故人を北に頭を向け、体の右側を下にして寝かせます(右脇臥位)。
枕元には次のようなものを用意します。
- 枕飾り(線香立て・ロウソク・花立て)
- 白い布団または清潔なシーツ
- 少量の水とご飯
- 数珠やお守り(宗派により)
これらは、故人が安らかに旅立てるように整えるためのものです。
地域風習|泉州・岸和田エリアの場合
泉州地域でも、北枕は一般的な習慣として根付いています。
ただし、住宅の間取りの都合で北向きが難しい場合には、
西枕(仏の国・西方浄土の方角)にすることもあります。
おくり火では、家の構造やご家族のご意向に合わせて、
最も適したご安置方法をご案内しています。
まとめ|北枕は“敬意と安らぎの向き”
北枕とは、故人が安らかに旅立てるようにとの願いを込めた仏教的な姿勢です。
不吉なものではなく、感謝と敬意の祈りの形なのです。
おくり火では、自宅葬や家族葬の際に、
北枕の整え方や枕飾りの準備なども丁寧にお手伝いしています。