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投稿日:2025.11.11.
お剃刀(おかみそり)とは?故人を清める最後の身だしなみ|小さな自宅葬・家族で「つくる」お葬式 おくり火
お剃刀(おかみそり)とは?
お剃刀(おかみそり)とは、故人の顔やうなじなどを軽くなでて、
ひげやうぶ毛を整える葬送儀礼の一つです。
実際に毛を剃るわけではなく、「清め」や「旅立ちの身だしなみ」として行われます。
おくり火でも、ご家族が見守る中で、故人が穏やかに旅立てるよう
丁寧にお剃刀の儀を執り行っています。
意味と由来
お剃刀の風習は古くからあり、もともとは僧侶が出家する際の「剃髪(ていはつ)」に由来します。
この世の執着を断ち切り、清らかな姿で新たな世界へ旅立つ——
そんな宗教的な意味が込められています。
そのため、葬儀におけるお剃刀は、
「俗世を離れ、仏の世界へ入るための清めの儀式」とされています。
流れ
お剃刀は、一般的に湯灌(ゆかん)や納棺の際に行われます。
- 1.お清め(湯灌)
故人の身体をぬるま湯で清め、髪や顔を整えます。 - 2.お剃刀の儀
理髪用のカミソリまたは専用の剃刀を使い、
顔やうなじを軽くなでるように清めます(実際には剃らない)。 - 3.身支度(整容)
髪を整え、化粧(死化粧)を施します。
女性の場合は口紅や頬紅を薄く塗り、自然な表情に。 - 4.お着替え・納棺
白装束や旅支度を整え、故人を棺へお納めします。
込められた想い
お剃刀の儀式は、「故人を敬い、きれいな姿で送る」という
ご家族の深い愛情のあらわれです。
- 旅立ちにふさわしい身だしなみを整える
- 清らかな心で仏の世界へ導く
- 最後に「ありがとう」を伝える機会
おくり火では、ご家族も立ち会っていただけるようにし、
静かに手を合わせながらお見送りいただけます。
宗派による違い
お剃刀は宗派を問わず行われることが多いですが、意味づけに違いがあります。
| 宗派 | 考え方・特徴 |
|---|---|
| 浄土真宗 | 「すでに仏になる」との考えから形式を簡略にすることも。 |
| 曹洞宗・臨済宗 | 出家の象徴として、仏弟子としての身支度を整える。 |
| 真言宗 | 旅立ちの儀式として重視。読経とともに行うことも。 |
| 日蓮宗 | 心の清めを重んじ、簡略に行うケースが多い。 |
道具
- 剃刀(かみそり):実際には刃を立てず、なでる程度。
- 白布・お湯:清めの象徴として使用。
- 綿・ガーゼ:肌を優しく拭うために使います。
- 化粧用具:死化粧の際に使用。
これらはすべて、故人を丁寧に扱い「旅立ちを整える」ためのものです。
泉州・岸和田エリアでの風習
泉州・岸和田地域では、湯灌とお剃刀をセットで行うことが多く、
葬儀社スタッフと納棺師が協力して丁寧に行います。
おくり火では、自宅葬でも安心して行えるよう、
湯灌専用の設備を持ち込み、ご家族の目の前で静かにお仕度をいたします。
まとめ|お剃刀は“旅立ちの整え”
お剃刀とは、故人を「きれいな姿で見送る」ためのやさしい儀式です。
それは同時に、ご家族の感謝と祈りを伝える時間でもあります。
おくり火では、泉州・岸和田・南大阪エリアで、
お剃刀・湯灌・納棺を心を込めてお手伝いしています。