お見送りの場に立ち会うたび、心に残る場面があります。
あるご家庭では、故人さまと長く暮らしてこられた“しっぽかぞく”のわんちゃんが、ご遺体のそばを離れずに座っていました。棺にお花を添える瞬間、まるで「ありがとう」と言うように、静かに鼻を寄せていたのです。

ご家族はその姿に涙しながらも、同時に深い安心を感じられたとお話しくださいました。
「きっと本人も喜んでいる」「最後まで一緒にいられたのは幸せだった」と。

お別れは、どうしても「さよなら」の寂しさに目が向きます。
けれど、その場にしっぽかぞくがいてくれるだけで、言葉にできない温もりや安心が広がることがあります。

私たちが大切にしているのは、「人もどうぶつも同じ家族」という想いです。
だからこそ、ご自宅でのお見送りや小さな式の場にも、しっぽかぞくが自然に寄り添える環境を整えることを心がけています。

お別れの時間は二度と戻りません。
その一瞬を、どう過ごすかで、後に残る気持ちは大きく変わります。
人も、しっぽかぞくも一緒に心を寄せ合う時間が、やがてご家族の支えとなりますように。