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投稿日:2025.09.24. 更新日:2025.09.25.

わんちゃん達と過ごす最後のひととき

あるご自宅での納棺の場面でのことです。
故人様のそばには、長年連れ添ったラブラドールレトリバーと柴犬がいました。ご家族は「大事な場面だから」と私たちに気を遣い、わんちゃんたちをお庭に待たせてくださっていました。けれども外からは「ワン!ワン!」と呼びかける声が聞こえ、まるで「一緒にいたい」と伝えているようでした。

そこで私たちから「どうぞ中に入れてあげましょう」とご提案しました。ただ、棺が納まってしまってからでは故人様のお顔を見せてあげることが難しくなってしまいます。ご家族と話し合い、納棺前のタイミングで会わせてあげることにしました。

危ないものを片付け、皆で花道をつくりながらわんちゃんたちを迎え入れると、2頭はまっすぐに故人様のもとへ駆け寄り、鼻を寄せて「くんくん」と匂いを確かめるようにお別れをしました。その姿は、言葉を持たない動物なりの大切な挨拶であり、心からの「ありがとう」に見えました。

そして納得したように、2頭はそろって花道を通り、静かに部屋をあとにしました。
その様子にご家族の皆さまは思わず笑顔になり、同時に涙ぐまれる――そんな温かいひとときとなりました。

人だけでなく、大切な家族であるペットにとっても、お別れはかけがえのない時間です。ほんの少しの工夫で、家族全員が心に残る見送りの場をつくることができるのだと、改めて感じさせられた出来事でした。

おくり火の自宅葬では、人と同じように「しっぽのある家族」にも寄り添い、共に過ごした日々を大切にできるお別れの形をご提案しています。

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