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投稿日:2025.11.12.
曲録(きょくろく)とは?僧侶が用いる“背が曲線のイス”をやさしく解説|小さな自宅葬・家族で「つくる」お葬式 おくり火
曲録(きょくろく)とは?
曲録は、僧侶が読経や法話の際に座るためのイス(導師椅子)です。背もたれが半円状にゆるやかに曲線を描くのが特徴で、座面は低め。寺院の法要や葬儀の祭壇前(導師席)でよく用いられます。
本堂の畳や壇前で正座が難しい場面でも、背筋を保ちやすく所作が美しく見えるように設計されています。
形と素材の特徴
- 背: 半円~U字の曲線。袖(ひじ掛け)はないのが一般的。
- 座面高: おおよそ30~40cm前後(立礼・合掌の所作に適した高さ)。
- 素材: けやき・桐などの木地/漆塗り/黒塗り。座面は布張り・ビニールレザー・籐張りなど。
- 意匠: シンプルで荘厳。仏式祭壇との調和を重視。
葬儀・法要での配置
- 導師席(どうしせき)に設置: 祭壇前、焼香台のやや脇(参列導線を妨げない位置)。
- 向き: 基本は祭壇正面に平行。読経時は祭壇へ、法話時は会葬者へ身体をやわらかく向ける。
- 周辺具: 卓(経机)・木魚・鈴・経本が手の届く範囲に。
自宅葬では6~8畳の居室でも、曲録1脚+小さな経机で小規模でも整った導師席が作れます。
似たイス・座具との違い
| 名称 | 主な用途 | 形状の特徴 | 葬儀での使われ方 |
|---|---|---|---|
| 曲録 | 僧侶用(導師席) | 低座・半円背・肘なし | 読経・法話時の基本椅子 |
| 高座椅子 | 参列者・僧侶補助 | 座面高め・肘付きもあり | 高齢参列者の着座、僧侶の補助席 |
| 胡床(こしょう) | 神道の祭祀 | 折りたたみ脚・直線的 | 神道式で使用(仏式は用いない) |
| 座布団(上座) | 正座用 | 畳に敷く | 寺院・自宅での一般的な座具 |
曲録を使うメリット
- 所作が整う: 背筋を保ち、読経・合掌・礼の動きが美しく見える。
- 体への負担軽減: 長時間の正座が難しい場合の替わりとして有効。
- 限られた空間でも設置可: 自宅葬・会館の小式場でも導師席を簡潔に整えられる。
自宅葬での実用ポイント(おくり火の工夫)
- 床保護: 畳・フローリングにキズが付かないようフェルトを脚底に。
- 動線: 曲録の背後に参列者の導線(献花・焼香)が重ならない配置。
- 統一感: 経机・香炉・供花の色調を黒・金・白でまとめ、清らかな印象に。
よくある質問(FAQ)
Q1. 曲録には誰が座るの?
基本は導師(僧侶)専用です。参列者や遺族が座ることはありません。
Q2. 家族葬でも必要?
読経を依頼するなら1脚あると式が整うためおすすめです。簡易イスで代用も可能ですが、見た目と所作は曲録が最も整います。
Q3. レンタルは可能?
おくり火では導師席一式(曲録・経机・仏具)の設営に対応。自宅葬でも安心です。
泉州・南大阪エリアの風習
岸和田・貝塚市・堺市など泉州地域の仏式葬儀では、祭壇前に曲録+経机を整える形が一般的です。自宅葬では空間に合わせて小ぶりの曲録を用い、必要最小限で凛とした導師席をつくります。
まとめ|曲録は“導師の所作を美しく整える椅子”
曲録は、僧侶の読経・法話を支えるために考えられた仏式ならではの椅子です。自宅葬でも1脚あれば式全体が引き締まり、静かで上品なお見送りが叶います。